・アーシングとは?(2019.01.29更新)

皆さんお乗りの車の馬力とトルクは何馬力 何キロでしょうか?

カタログには、例えば200馬力20キロと書かれていたとしましょう。しかし、それは車両に積んでいない状態で測定されたもの。車両に積む際には、いろいろと省略されてしまいます。

その中でも、車両の性能に大きく影響を与えるのが、アースの省略です。

結果、シャシーダイナモで工場出荷状態の車両の馬力を測ると180馬力も出ていなかった、というような話はちょくちょく耳にします。

その省略されたことによってダウンしたエンジン性能や様々な電子機器の性能を、本来の性能に回復させてやるということが、アーシングの目的です。

一言で言えば、「開発品質」と「製造品質」の差をなくして、「本来のノーマル」に戻してやる。ということです。



・純正のアース環境

工場出荷状態の車両の純正のアースポイントは、大抵の場合

「ボディアースのみ(間接的にミッションケースなどにアースが接続されている)」

「ボディとミッションケースの2本」のことが多いです。

ですので、車両が必要としている部分には 間に様々な抵抗が生じていて、オルタネーターが最大発電の際に出力している14.4vからは、かなりドロップした電圧しかかかっていません。

14.4vでやっと正常に働くように作られている部品、例えば点火プラグも(点火コイルで増幅されていますが)想定された火花の強さに達しません。

(以前、知人が測定した際に13.5vしかなかったという例もあります。)

そのような弱い火花では開発品質の完全燃焼には程遠い燃焼状態ということになります。

現代の自動車はご存知のように、電気で動いている部品が山のようにあります。ですから、昔の自動車よりも、アース環境というものはより重要なファクターになっています。


・アースの増設を必要としている部品

ここまで記述してきたように、工場出荷状態の車両のアース環境は多かれ少なかれ「開発品質」からは悪くなっているわけです。が、だからと言ってやみくもにアース線を増設すれば解決する問題ではありません。接続しても無意味な所に増設されている車両をイベント会場などでよく見かけます。

それでは、どんな所にアースを増設すれば良いのかを解説していきます。


1:シリンダーヘッド

点火プラグの火花を正常に戻してやる為のポイントです。

点火プラグがねじ込まれているのは、エンジンのどの部分でしょう?

シリンダーヘッドカバーでもなく、シリンダーブロックでもなく、シリンダーヘッドです。

本当ならば、点火プラグのマイナス極に直接アースをひきたいところですが、それは現実的に無理なので、シリンダーヘッドに直接アースをひくことが重要です。


2:ボディアース

純正のボディアースは、塗装が乗ったままだったりキレイに下地処理されていない部分に取り付けられていることが多く。また接続ポイントの選択もイマイチ車両全体のアース環境を上げているとは言えない場合もあります。

一番良いのは、メインフレーム(サイドメンバー)に直接アースをひくことです。(エンジンルームのレイアウト上、不可能な車両も多いですが)

大方の電装品は、ボディアースでアースをとっています。それら全部の性能が元に戻ります。カーオーディオなどは良い例です。


3:電子制御スロットル

一昔前の車のスロットルはアクセルペダルとスロットルバタフライが、ワイヤーで直接繋がっていました。従ってペダルを踏んだら同時にバタフライが開き、ペダルを緩めたら閉じる。当たり前のことが現象として起きていました。

しかし、電子制御スロットルが一般的になっている現在では、ペダルを踏んでも一瞬遅れてバタフライが開き、ペダルを放しても一瞬遅れてバタフライが閉じるというタイムラグが生じているのです。

その現象を解消するのが電子制御スロットルへのアース追加です。


4: ECU(エンジンコントロールユニット)

コンピューターのことです。現代の車の場合、エンジンだけでなくATの制御も一つのコンピューターで行っている場合が多く、アースをとる重要性は高まっています。

ご存知の通り、エンジンルーム内はノイズの嵐状態です。そのような劣悪な環境においてはコンピューターも本来の性能どおりには制御できないことが多いです。そのノイズをアースをとることで逃がしてやり、本来の制御性能を取り戻すということです。ECU本体がボディにボルト止めされているような車種の場合は省略することもあります。


5: O2センサー

今から15年ほど前、マフラーアースというものが流行したことがありました。

マフラーからボディ床下にアースをひくというものです。奇想天外なwebページでは、そのことによって排気が渦を巻き排気効率が良くなる!なんて突拍子もないことが書かれていましたが。

実はこれは、O2センサーのアースのことなんです。その頃の車は排気管の床下あたりにO2センサーが付いていたため、誤った解釈が生まれたのでしょう。

O2センサーにアースをひく目的について説明しますと、

排気ガスというものは、実は細かい粒子ですよね?そして排気系(エキマニ・マフラーなど)は金属で出来ています。その為、排気ガスが通過する際に金属と擦れ合って静電気が発生します。この静電気がノイズとなってO2センサーの信号を正確ではないものにしてしまうのです。このノイズをアースしてやることによって逃がし、より正確なO2センサーの信号をECUへ送れるようにしてやることで、ECUの制御をより正確にしてやる。ということです。


・まとめ

この他にも車種によっては、ミッションケースなどへの増設もメニューに入れることもありますが、大まかにいえばここまで記述したポイント全てにアースをひくことで「開発品質」の「本来のノーマル」に戻すことが出来ます。

尚、全部のポイントに接続できなくても、体感があるケースが多いですね。


その体感については、当「ワッキーの自動車実験教室」のブログやFacebookページに施工されたオーナー様のインプレが掲載されていますので是非ご覧になってください。


ネット検索の方法は簡単です!! 「ワッキーさん」で検索してください。

「ワッキーの自動車実験教室」のホームページが3つとFacebookがトップに出てきます。

さあ、今すぐ「ワッキーさん」で検索をして、ホームページから「ブログ」へアクセスしてみてください。

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アーシングは「究極のノーマル」に戻す作業

「アーシング」って、、、
マフラー交換やらなんやらと同じ、「俗にいうチューニング」だと思ってたでしょ?
ノーマルで乗るのが一番。っておっしゃる方に敬遠されるこれらの行為と同じようなものだと思ってたでしょ?

えへへ。じつは、アーシングってポン付けパーツでモディファイするのとは全然違う行為なんですよ。

どういうことかと言いますと
本来、メーカーの開発担当者さんは当初はもっと電気抵抗の少ない状態を想定してエンジンの開発をしてるようなんです。
とっころが、実際ラインで車両を組み立てるということの企画段階にくると彼らの思惑通りにはいかないことも・・・。

ライン内でアースケーブルを車両に取り付けるということは、人間が行っているそうです。
ロボットがホイホイつけるのならばよろしいのですが、、、。

従って本当ならば、あそこと、ここと、それにここにもアースを引いて・・・・と考えていても
「それではライン通過時間が1分も長くなるじゃないか! どれだけコストが上がると思ってるんだ!? 人件費は高いんだぞ。それで販売価格がどれだけ上がるのかわかってるのか!? 却下ぁぁぁぁぁ!!」
というお偉いさんの一声で
「わかりました。ここだけにつなぐことにします。」
という結果になってしまう傾向がなきにしもあらずだそうです。

効率化という名前のコストダウンですね。ケーブルの本数を減らすという単純なコストダウンでもありますが。

ということは本来開発担当者が構想していただけのエンジン性能が発揮できないということなのです。

ですから。アースを増強することで、開発者が本来意図していた電気抵抗値に少しでも近づけてやろう。そういう考えから行われている行為なんですよ。アーシングって。
チューニングという言葉本来の「調律」という行為ともまたちょっと違う。。
何と言えばいいのかしらね?(笑)

ということで。「アーシング=究極のノーマルに戻す作業」についての解説でした。(^^)


<2009.03.31.追記>
よーするに。
「開発品質」と「製造品質」には「差」があるということですね。

その差を少しでも小さくして「本来のその車の姿」にしてあげるということをいつも心がけて開発・施工させていただいております♪


絶対ノーマル!ラインオフのくるまが一番!と、実は開発者も内心「トホホッ・・・」て思ってるかも知れない「レスチューニング車」に乗るのも一つの立派な思想ですが、私はせっかくだから「本来の姿の車」に乗ってやるのが夜も寝ないで仕事をして車を作り上げた開発者の方達への「感謝の気持ち」だと思って「アーシング」をお勧めいたします。

もしご気分を害された方がおられましたらあやまります。ごめんなさい。
でもわたしバカ正直なもので本音でしかお話しできないんです。すみませんです。お許しくだされ。(^^;

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