タイヤサイズ選びは大変じゃ! ('04.06.17.) (2005.08.30.追記)


さて、何をいきなり叫んでるのかというと以前の「うんちく」で無秩序なインチアップに対するアンチテーゼを述べたところけっこうな反響があったのですが。。
最近になってその逆方向へ進む話について質問されることが増えてきましたのでちょいとその辺りの説明をばいたそうかと思った所存でございます。

いったいどういうことかその一例をあげますと、カングー1.4L/AT(正規)の標準タイヤは175/65-14なのでございますが、これを165/70-14にするのはどうなんでしょう?という質問がありました。(この両サイズは同じ直径のグループに所属しますので履き替え可ですね。)
どうやら本国で販売されている商用モデルに設定されているのかな?詳しいことはわかりませんがフランス風にしたいからということらしいです。

<追記分> 並行輸入されたか○んさんのカングーエクスプレス。(本国での商用タイプ)

エクスプレスの標準タイヤ「165/70-14」のロードインデックスが85でした!!

日本で普通に入手できるこのサイズのタイヤは、ロードインデックス81です。

このタイヤは85もあるから この細さ&径の小ささ=エアボリュームの少なさ でこの車重を支えられるのですね。

勉強になりました。



<以下元々の文章です>


私が思うに、フランス風ビジュアルを最重要目的とするならオッケーだと思います。
ただ、走行性&安全性向上という部分に的をしぼっていろいろなモノを選ぶ私の習性からすると、あるひとつの選択基準がありまして。。。

それは何かと申しますと、『エアボリュームの大きさ』でございます。
日本語で言うと『タイヤの中の空気の容積が多いタイヤがイイ!』っつーことです。


タイヤというのはゴムの塊ではないのは皆さんご存知。(笑) 
では車両の重量を支えているのはタイヤか?っつーとそれは違うわけでして…。
「何を妙な事を言ってるのだ?」と思われる方が多いとこのうんちくも書き甲斐があります。^^;

ではでは改めまして車両の重量を支えているのは何か? それはタイヤの中に入ってる「空気」なのでございます。
試しにタイヤの空気を抜いてください。
タイヤはペシャンコ。ホイールとゴムだけで車の重さを支えることになり車は走行不可能。無理矢理走るとドエリャアことになります。


で、ですね。この基準から導かれる選択方法からいきますと基本的に空気圧はできるだけ低い状態で走れるタイヤサイズがベターかな。と感じているのです。
そのために重要となってくるのが「エアボリューム」なのであります。

(以下の説明は意味合いをわかりやすくするため、タイヤについてはサイズ以外は重さも同じと考えて読んでくださいませ。)

例えば(よくBBSメカニカでも話題にしておりますが)ルーテシア2・RSのph1のタイヤサイズは195/50-15。
ところがph2では195/45-16.になっています。どちらがエアボリュームが大きいかというとph1の方ですね。
ここで驚きの事実が! なんとph1のフロントタイヤ指定空気圧は2.3kなのに、ph2では2.7kと一割以上も高くしろと指定されています。
ロードインデックスが195/50-15=82。 195/45-16=80。 と「2」少なくなっている影響もあるでしょうが、それだけなら空気圧は0.2kアップさせる程度で対応できるのが通例でございますよね。
(この辺りの詳しい話はタイヤ専門サイトなどでお調べくださいませ)

要するにタイヤに入る空気の量がかな〜り少なくなっちゃうのでこれくらい強烈に空気圧を上げないとダメなわけでして。。。


んで、話を戻して。175/65-14から165/70-14にすると空気圧はどうするべきか?

オリジナルで165/70-14がついているグレードの指定空気圧は知りませんが、175/65-14が付いている車両と同じ車重を支えるとなるとエアボリュームが少なくなった分だけ空気圧を高くしてやる必要があると思われます。

ではなぜ、165/70-14を標準装備しているモデルがあるのか?
それは、経済性(省燃費性)を最優先と考えているモデルだからではないでしょうか。
165/70-14の方がタイヤの幅が狭くころがり抵抗が少なくて済みますので燃費には好影響があるわけですね。
(空気圧を175/65-14より高くしてることはエアボリュームの差で帳消し。←この意味はわかりますよね?)
ただし、デメリットも。
1:乗り心地は悪くなるでしょう。
  (容積少ないのに空気圧を高くした分ね。&タイヤの重さが同じならという条件付。)
2:制動力の限界が低くなります。
  (よーするに幅が狭くなった分だけ設置面積が減る=
   =グリップダウン=コーナーリング・加速時のスリップ量も増える。
    このサイズを選ぶ方はそんな乗り方はしないでしょうが。^^;)

おっと、2:のカッコで囲んでない部分に関しては運転の仕方だけではカバーできない域の安全性を落とすということにも繋がるのでかなり慎重になる必要があるかと。。

もう一つ。エンジンが小排気量の物が搭載されていてミッションも日本ではATですが、MTのモデルがあるのかもしれないですよね。
それなら車両重量(特に前軸荷重)は数十キロ軽いかな。
もしかしたらそのような動力系を搭載したモデルに採用されているタイヤサイズなのかもしれませんね。
これなら簡単に納得できる。(推測ばかりですみませぬ。)


っつーことで、まとめますと、
装着する車両の重量・必要な制動能力・エンジンの出力による必要なグリップ力・乗り心地・省燃費性・見た目・などなどいろいろな要素を考慮に入れてタイヤのサイズを選ぶわけですね。

あぁ、智恵熱でてきそうですなあ。

乗り心地に関しては、タイヤの重量による影響もありますしねぇ。

以上、全然まとまっておりませんが、何かの参考になればと。情報提供っつーことで許してくださいませ。^^;






んでも、一応総括すると・・・。
前述の私の好みの要素・選択基準を重視して選ぶと、車重1000kg〜1050kg程度の正規物ルーテシア2(1.4L〜1.6L)では175/65-14か185/60-14がベストかと。
それ以上の幅になると(195/55-14・195/50-15・195/45-16・225/40-16等)リアタイヤのインサイド側の干渉が気になります。(ホイールオフセットである程度のサイズまでは解消できるでしょうが)
また90psから110psしかエンジンの出力はありませんからそんな幅も必要ないと思われ。^^;
乗り心地も悪くなるし。←くどい。

ちなみにRSはブレーキのサイズが大きいので15インチ以上のホイールしか装着できません。車重は1050〜1100kgですね。

もっと車重の重い車ですと。。。 あぁ、私が智恵熱でてきましたぁ。(爆)


さあ皆さん、智恵熱だしてタイヤサイズの選択に励んでくださいませ〜〜〜〜。^^;
なんと、今まで書いた要素以外にタイヤの銘柄によるグリップ力の違いや乗り心地・ころがり抵抗の差・他にもいろいろ考えなきゃならないことがあります。←なんて残酷なメッセージ。(爆)


いつもいつもエエ加減な終わりかたで申し訳ない。(笑)


ps。ちなみに車重の割りにタイヤの直径が小さい車ほどタイヤ選びは難しいっす。
タイヤの直径まで変えられるならもっと簡単に選べるかもしれませんね。^^;




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