RS リアハブローター交換 ('03.12.14.)

Lutecia2/1.6L/16v及びRXE.RXTのリアはドラムブレーキですが、RSはディスクブレーキ。なので、RSオーナーさん向けの話題ですが。。。

先日某テストドライバー氏所有 RSフェイズ1('00年式)のリア ハブベアリングがいかれました。
RSのリアハブベアリングは「ブレーキローター兼ハブ 一体パーツ」そのものに圧入されておりますので、対処方法には2つの選択肢があります。

1・ローターはそのままでベアリングのみ取り外し、新品のベアリングと交換する。
2・ローターを部品で購入するとベアリングも最初から装着されているのでローターごと交換する。
この2つの方法があります。しかし両方ともそれぞれ痛し痒しな点が・・・。

1・= 部品代は安いものの工賃が高い!(部品:8K弱 工賃:15K程度)←片側のお値段です。
     圧入されたベアリングの脱着は専用工具が必要で手間がかかります。

2・= ローターは左右セット販売のため部品代金が高い! (ショートパーツを含めると40Kオーバー)
     (安全性を考えると当然 片方だけの交換はブレーキ片効きの原因になる)
      が、交換作業は1・と比較すると簡単なので両方あわせて工賃10K程度。

左右両方交換するなら必要¥額は1・2共にほぼ同じですね。


某テストドライバー氏は熟考の結果、2・を選択。
そしてワッキーファクトリー(←単に家の前のカーポート(爆)) での共同交換作業と相成ったのであります。^^;



これが交換する部品です。

下に敷いている箱にローターが2枚一組で入っています。

左上はハブを固定するロックナットです。左右各1個ずつ必要です。

右上はナット部分から水や異物が浸入しないようにするためのウエザーストリップカバーです。本来新車の状態から付いているべきものなのですが、、、ラテン的というか何というか、付いている車両とついていない車両があるそうです。

もし貴方のRSにこれがついていないなら悪いことは言いません、早めに購入して装着しておくことをお勧めします。これがあるとないとではハブベアリングの寿命がかなり違うはずです。

それではボチボチ作業にかかりましょう。
右後輪の交換作業の様子です。

まずはジャッキアップしてタイヤを外し、リアのトーションビーム後端にブロックを置いて足回り部品を支えます。
(今回ブロックを使ったのはちょうど高さが具合よかったから。安全の為には馬をかませるのが一番です。)

車体が落ちてこないようサイドシルに馬をかませるなどの措置も安全の為に必要です。

左右前輪を輪止めで固定し、ギアをローかリバースに入れて前輪をロック。そしてサイドブレーキを解除して作業準備完了です。

まずはブレーキパッドを外します。

<水色矢印の部分>
「ハッド」を「パッドガイド」に固定している「アングル材」のインサイド端(写真では左側)の穴に付いている「抜け止め割りピン」を取り外し、マイナスドライバーを「アングル材」のインサイド側にあててハンマーでコツコツ叩いてアウトサイドへ(写真右方向)ずらしていきます。

このアングル材を抜き取るとパッドをガイドから引き抜いて取り出すことが出来ます。
ローターが減って外周部だけが残っている、所謂「王冠状」になっている場合、パッドが引っかかり抜けにくい場合があります。

パッドが外れたら赤矢印部分、パッドガイド固定ボルトを緩めパッドガイドを取り外します。(ルノーにしては珍しく17mmレンチ使用でした)

 
外れた部品。

写真左の左上が「割りピン」 その下が「アングル材」
右はパッドです。再取り付けする時にインサイド・アウトサイドを間違わないように注意。

写真右は、パッドガイドと固定ボルトです


いよいよローターを外します。

ハブナットを緩めます。レンチサイズは30mm。
かなり硬いので気合を入れて緩める必要があります。

リアサスの下に支えを設置するのはこの時のためです。
支えなしでこのナットを緩めようとすると車がでんぐり返しになって自分の方へ倒れて来る場合があります。最悪の場合貴方は下敷きになりあの世行きですので・・・この作業はやめておいた方がいいでしょう。(−−; 
くるまいじりには絶えず危険が伴います。

ローターが外れました。
固着している場合はハブプーラーを使う必要があります。
見たところリアではハブプーラーは必要なさそうでしたが。
フロントは確実に必要です。(詳しくは略)

シャフトの奥にワッシャのように見えるインサイド側のウエザーストリップカバーのグリスがなくなってる場合は補充します。ブレーキパッドグリスを薄く塗り延ばしてやればいいでしょう。

さて続いて、新しいローターを装着するわけですが、新品のローターと使用済みローターでは厚みが違いますのでそのままではブレーキパッドがはまりません。

なのでリアブレーキのピストンを押し込みます。
押し込むと言ってもフロントのようにそのまま押し込んでも引っ込んでくれません。
十字に入っている切込みに専用工具をあてがい時計回りにねじ込むことでピストンは引っ込んでいってくれます。
専用工具が無いのでラジオペンチで回しました。
ただし、工具が滑ってピストン周囲のブーツを破ってしまってブレーキフルードが噴出しても知りません。責任はとれませんのでこの方法は絶対真似しないように。

これが済んだらローターを装着します。

ローターを固定する時は必ず新品のナットを使用すること。
前についていたナットを再使用したためナットが緩んで車輪脱落事故などが発生しても当方一切関知いたしません。

固定する際の締め付けトルク値に関してはディーラーなどに確認してください。

ローターを装着したらパッドガイドをつけて、ブレーキパッドを装着します。
ピストンの切れ込みの位置を調整してパッド座金の突起が溝にはまるようにして装着します。(水色矢印)

はずした時の逆の手順でアングル材装着〜割りピン装着まで済ませます。
パッドの装着の際は適宜汚れを拭き取ったり、ハッドグリスを必要部位に塗布します。

ローター装着・パッドガイド装着・パッド装着が完了したらハブボルトを保護するウエザーストリップカバーをプラスチックハンマーでコンコンと丁寧に打ち込み装着します。

美しい〜〜〜♪ 光り輝いております!!^^

走行前に必ずローター表面をブレーキクリーナーで脱脂します。

そして、ブレーキペダルを何回も踏んでハッドとローターを密着させます。
これをやらないで走り出したらブレーキが効かず事故を起こします。絶対忘れてはいけない作業です。

ということで作業完了。両方で1時間半程度でした。
いやあ、いい汗かきました。^^

ブレーキパッド交換もこれと似た作業ですね。パッドガイドとローターを取り外さない以外はほぼ同じです。

<注意>
このページを参考に作業される場合は100%ご自身の責任のもと行ってください。
当方はトラブル・事故などが発生しても一切関知いたしません。



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