バンパーの外し方&オーバーハングの軽量化 (2005.03.10)
ルーテシア2・フェイズ1の右フォグランプを外したところから奥を覗きこむと、赤錆サビサビの謎の金属塊があるのをご存知な方も多いと思います。
いったいあの物体は何なんだろう? ずっと考えてたんですが、見える範囲では外し方がわからなかったので「うむぅ〜」と悩むこと幾年月、そのうち毎度のパターンで考えてたことを忘れてしまっていました。(^^;
ところが、ある日某所にて修理中の同形式車両に遭遇。ちょうど右ヘッドライトが取り外されており、件の金属塊の取り付け方法が直接肉眼で見ることができました。
しゃがみこんでじっくり観察すること数分。わたくしの灰色の脳細胞が導き出した結論は「これは単なるバランス取りの重し?」(^^?
前の愛車トウィンゴでは素の状態では、左が重たくて重たくて。
そこへ更に運転手が乗るわけですからどんどん左へ傾いて・・・。私がトウィンゴに乗ってた頃よく話題が出て、、皆さん悩みの種でした。
車体の大きさが意外と近いルーテシアでも(全長の差はそれなりにありますが幅は2cmしか違いません。2台並べて前方から見るとよくわかる。パッと見たらトウィンゴの方がデカイ!)同じ様な現象が起き、結果その対策としてこのような重しを装着したのではないだろうか?ということです。
よーするに見た限り何かの振動を吸収して騒音軽減するとか、そういう快適性のための装備品ではないようです。
エンジンマウント取り付け部分のすぐ下にも金属塊がボルト留めされていますがこれはエンジンの振動がボディに共振しないようにするためについているような雰囲気。エンジンマウント基部の鉄板は比較的薄い。でも今回の金属塊が取り付けられているのはサイドメンバー(メインフレーム)に直付けですので。
ただし、これは全く私個人的な見解ですので、真似して問題が発生しても一切責任を負えませんのでご了承くださいませ。
ということで、ひとつコイツを取っ払ってしまったらいったいどうなるのか?ってのを実体験したくなってやってみました。
なのでバンパーを外す必要がありますのでついでに「バンパーの外し方レポ@簡易版」も掲載。
と、あいなりましたのでございます。
まずフロントグリルを外すわけですが。最初に赤矢印の4ヶ所にあるトルクスのタッピングを外します。 レンチサイズは上側の2つはT20。下側の2つはT30。 続いて黄色矢印の部分はスナップピンで固定されている(刺さっている)だけですので「内装剥がし」(右下画像)でグニグニと優しく丁寧にコジルとスポっと抜けます。 ボディ&グリルに傷をつけないようにするため「内装剥がし」には布ガムテープなどを貼っておくといいかと。 ↓の画像は左側のスナップピンのクローズアップです。 |
左上画像はは右フロントのタイヤハウス内前側です。ここにあるいもむしスナップピンを内装剥がしで引っこ抜きます。 右上画像の バンパーとインナーフェンダーを固定しているトルクスのタッピングを外します。(サイズ=T20) |
んでもって、インナーフェンダーをめくるとバンパー上端後端固定用のM6ボルトが見えます。(画像はボルトを外した後) 10mmレンチで外します。 これを左右とも行います。 続いて床下を車両前方より覗き込みます。 バンパー下左右にあるトルクスタッピングといもむしスナップピンを外し、ラジエタシュラウド(バンパーから後に繋がってる黒いアンダーカバー状のもの)を固定しているM6ボルト(レンチサイズ10mm)を3本とも外します。(RXE・RXTは2本の場合もあり) するとバンパーがごそっと外れます。 |
バンパーを外すとこのようにキャニスタ・ボックスの横に例の「塊」が出現します。 このままではキャニスタボックスが邪魔で外せないので、こいつを固定しているボルトを3本とも外して(レンチサイズ13)キャニスタボックスをブランブラン状態にします。 |
例の「塊」はサイドメンバー(メインフレーム)にボルト1本で固定されています。(黄色矢印で示した部分) このボルトを16mmレンチで外します。 このボルト意外と長さがあるのでコンビネーションレンチやフラットメガネレンチでもって一発緩めたら、片手で「塊」を支えながら手でボルト緩めていき、抜きとります。 |
取り外した「塊」を体重計に載せてみました。 その重さ、6.7kg!! むちゃ重いですぅ〜〜〜。 ということでぇ〜。 元に戻すためには、分解した逆の順序でキャニスタボックスやらバンパーを取り付けていきます。 |
「塊」を外した数日後にTDMへ参加。道中にはいろいろな状況があるので早速インプレ。
(以下、全くの私見な感想。)
●街中の路地や住宅街などでの低速走行(30km/h以下ぐらい)
:マンホールの蓋を踏んだ時や踏み切りを渡る際の当たりがマイルドになり、揺すられ感も減りました。
●市街地走行
:操縦性というか車の挙動には別段あまり差を感じませんが、微妙に乗り心地は良くなった印象。
●峠道その1
:ググッと強くブレーキングして進入するタイトコーナーでの回頭性が向上。鼻先軽い〜。
●峠道その2
:左コーナーでの立ち上がりの際、荒っぽくスロットルペダルを蹴飛ばすと
右前輪のトラクション抜けが今までよりけっこう早くに発生。
右足に今まで以上に繊細な操作が必要。って感じぃ〜。
●高速道路
:エンブレだけで曲がる左コーナーでは前輪に荷重がかかるタイミングが今までより少し遅くなって
慣れるまではちょっとヒヤッとすることも。
っつーことで、総合印象というかなんというか…。
1960年代のポルシェ911はフロントオーバーハングに20kgものバラストを積んでいたそうですが、そこまではいかなくてもこの「塊」がルーテシア2のハンドリングを万人向けにするために装着されていたんだろうなぁと思いました。
(きっとクープには付いてないと思われ)
「塊」なしのルーテシアは以前の愛車トウィンゴに少し似たハンドリング傾向になったような気がします。
よーするにコーナー進入のためのブレーキングの際に意識的に前荷重をキチンとかけてやれば、しびれるようなスポーチーなコーナーリングが体験できますが、ダラァ〜とエンブレだけ&タイヤの横グリップにまかせてハンドルだけでカーブを曲がろうとすると「おっとっと」みたいな。
想像ですが、左ハンドルの車両にもこれが装着されているならば、外さない方が無難な気がしました。^^;
(クープは右バルクヘッドにバッテリーが搭載されているので普通のRSなどの左ハンドルモデルとは別ね)
ちなみに私、右に運転手が乗ってるんだから右ハンドル車ならば絶対外した方がバランスいいだろうと思って、実験してみたのですが、鼻先の7kg弱というのは想像以上に大きな影響を与えていたようです。
エンジンルーム左側に搭載されているバッテリーをもっと軽量なドライバッテリーにしたいなぁ。って思うシーンにも時々遭遇。
左右バランスよく鼻先が軽くなっただけならば、前述のようにコーナー進入の際に意識的に前荷重を今までよりも少し多めにかけてやるような操縦の工夫だけでOKの範囲だと思うのですが(あくまで私の感覚ネ)、左右でその度合いが違うことが操縦性をナーバスにしていると感じる場面もありましたゆえ。。。
コーナー〜コーナーの切り替えしの時など、左右で車体の挙動フィーリングとかステアリングインフォメーションが違う、とか。
路面がうねってるような場所だと余計に。。。
ということで、またアホな実験をやってしまいました。(笑)
<注意>
このページを参考に作業される場合は100%ご自身の責任のもと行ってください。
当方はトラブル・事故などが発生しても一切関知いたしません。
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