ショックアブソーバー交換(ダンパー交換)  '04.10.31.

今回は某テストドライバー氏のフェイズ1/RSのダンパーを交換いたしましたのでレポートいたします。
1.6L/1.4Lモデル(16v RXE RXT)もフロントのストラット下とアップライトを固定するボルトのサイズが違うだけで手順は同じです。
尚フェイズ2は未確認。あしからず。

2004年の春に自分の16vの交換をした時は非常に苦労したのですが…。
なんと!もっと簡単な方法があったので今回ご紹介させていただきます。です。

 
 
それでは作業が簡単なリアからはじめましょう。

「まずは下準備」
トランクルームのタイヤハウス上端にあるゴムキャップを外すとダンパー上側の固定部分が現れます。

ダンパーのロッド固定ナットは16mmレンチで、ロッドの上端の「□」をスパナorモンキーで挟み、軽く緩めます。

続いてフロント両輪に輪止めをかませて車両を固定します。
ギアはローかリバース(ATの場合はPレンジ)に入れておきます。
次にリアをジャッキアップしてサイドシルのジャッキポイントに馬をかませます。
んでもってリアタイヤホイールを外します。 OK?

そしたらば、左の写真のようにダンパーの下側固定ボルトを緩めます。使用レンチは18mmだったっけ?  21mmだったっけ?(健忘症ゆえ御免)

まだ全部取り除かないで手で緩められる程度にしてボルトは残しておきます。

ここまで出来たら前項で緩めておいたアッパー側ナットを完全に取り外し、ボディ上側のゴムブッシュも外します。
そして下側のボルトを抜けばダンパーはまっすぐ下へ取り外すことが出来ます。


取り外したダンパーの頭頂部です。

手で持っているのがボディ上側に装着されていたゴムブッシュ。

その左にあるのが固定ナットです。

ボディの上と下、両方からこのテーパー状のゴムブッシュで挟み込まれて固定されているのがわかりますかな?

ここまで外せたら、上端部の下側ブッシュと、ブッシュ内側にはまっているカラーを取り外します。(新品ダンパーにはこのブッシュ&カラー&ナットは付属してました)
バンプラバー兼ダストブーツは再使用しますので新しいダンパーに装着し直します。

そして、取り外したのと逆の順序で組みつけていきます。

一つ注意点は、下側の固定ボルトを本締めする際には地球上の重力で言うところの「1G」を掛けてやることが大事です。(下側のゴムブッシュのねじれ防止のため)
その為に、仮締めした状態でロアアーム下側にジャッキをかけて車体が馬から浮くまでジャッキアップしてやります。そしてこの状態でボルトを本締めします。

●注意●この時! 前輪を固定してないと車が前へ逃げていって馬から落下。車が地面に叩きつけられて壊れます。チーン。



さていよいよフロント側の交換です。



また下準備から。

キーはキーシリンダに挿し、ハンドルロックがかからないようにしておきます。

ストラットアッパー固定用の大径フランジ付ナットを緩めます。この部分のナットは21mm。中心のロッドはヘキサゴンレンチで固定します。

私の手持ちのメガネレンチではこのナットの周囲に干渉してしまうので工具箱に眠ってた21mm(20.6mm)のプラグレンチを利用してそこへ21mmのメガネをかけて緩めました。

まだこの段階ではほんの少し緩めただけでナットは取り外しません。

そしてサイドブレーキをキチンと引き、リアタイヤに輪止めをかませます。

続いてフロント側をジャッキアップ。左右両側サイドシルに馬をかけ、タイヤホイールを外します。

「追記」(2004.12.23.)
<参考>
後日、バンプラバー交換の為に再度前脚をばらしました。
その時には左記の様なラチェットレンチ(21-17)を購入。ホームセンターで¥950.
これなら普通のヘキサゴンレンチが使えて、やっぱ便利ですワ。w

こういう貫通タイプのラチェットレンチね。



完全に外してしまった状態はこんな感じです。
後に出てくる「17mmサイズナット」の緩みを確認する時の為の参考まで。

(走行距離・個体差・使用状況によっては、この17mmサイズのナットの緩みで足回りから異音が出ることがあります。)
<2008.04.追加>




さて、いきなり右前輪にシーンは変わりますが、気にしない気にしない。(笑)

まず、黄色矢印で示した部分にあるトルクスビスでABSのセンサとケーブル保持用ブラケットが固定されていますのでそれらを取り外し、邪魔にならないようにどこかへ避難させておきます。

続いて、赤矢印で示したストラット下端固定ボルトナットを緩めます。赤矢印の下側にもう一本あります。
RSの場合はレンチサイズは21mm。1.6L以下の車は18mmです。

上下ともナットを取り外し、ボルトだけを残します。次に上側のボルトを抜きます。抜けにくいときはストラット全体を持ち上げたりして穴位置調整しながらプラスチックハンマーでコンコンと優しく叩き出します。

そしてここからが大事! 下側のボルトを軸にアップライト(ローターやキャリパー全体)を手前に倒してストラット頭頂から下側ボルトまでの距離を長くします。

ステアリングタイロッドも手前へ引いて(ステアリングを左へ切った状態)やると距離がかせげます。
★キーを抜いてしまうとステアリングロックがかかってこの状態が作れません。前回自分の車での作業が大変困難だったのはコレが原因でございました。

この画像をご覧になると、前項での説明がわかりやすいですね。

・ABSセンサ&ブラケットの位置
・下側ボルトだけ残す。
・ステアリングタイロッドを引っ張りながらアップライトを手前へ倒す。

この状態を作れば下側のボルトは比較的簡単に抜けます。

ただし、この時、ストラット下端部分でドライブシャフト・ジョイントのブーツを損傷させないように注意が必要です。

下側ボルトが抜けたらストラットを車両中央方向にずらし(上側固定部から真っ直ぐ下に降ろした状態)
アッパーの固定ナットを緩めて取り外し、ストラットをタイヤハウスから取り出します。


取り出したストラット。
スプリングコンプレッサでバネを上下のお皿(スプリングシート)から浮くまで縮めます。

次にアッパーゴムマウントを固定しているナットを外します。
ヘキサゴンレンチと17mmメガネレンチを使用。


部品の一覧図です。
アッパーのナットは写ってませんがアレはわかりますよね?^^;

黄=17mmサイズナット
青=ベアリング固定用カラー
赤=アッパーゴムブッシュ
緑=ベアリング(裏表注意)
その右が上のお皿・スプリングシートです。
バネの隙間に見えているのがバンプラバー兼ダストブーツです。

黄・赤・緑とアッパーのナットはセットで部品注文できます。(割安)
これらのパーツは消耗品。ある程度距離を走っていれば一緒に交換しておくのがお勧め。

青のカラーは別段消耗するものでもないようですのでディーラーでも再使用してるとのことでした。
というわけで私も再利用。


<驚>この車両は走行68000km程度だったのですが、なんとバンプラバーが縦に割れてました。
なので、これも交換することに。部品はいつ届くだろう?

もし自分の車のダンパー交換をするならば事前にバンプラバーが大丈夫か確認しておくことをお勧めします。
ジャッキアップしてタイヤを外し、下から覗き上げれば見えまっさかいに。
「追記」(2004.12.23.)

左の画像上側が新品。下側が縦横にぱっくりと割れてしまったバンプラバーです。
あわわわわわw。



ということで、分解した逆の順番でストラットを組み立てます。

組み立てが出来たらスプリングコンプレッサーを緩めていきます。スプリングが上下のお皿にピタッとはまるように位置を決めて。
最後の仕上げにプラスチックハンマーで軽くコンコンしてやるとキチッとはまりますね。

ABSセンサの洗浄や、ディスクブレーキ関係のお掃除もついでにやっておくと、二度手間が省けていいかも!

バネの組みつけが完了したら、車体から取り外した時の逆の順序で組み付けです。
まず先にアッパーマウントのナットを装着し(仮締め)ダンパーが上からぶら下がる状態にしてやると作業効率が上がります。

それから外した時の要領を良く覚えておきましょうネ。知恵の輪みたいにならないように。(笑)
そうそう特にブーツを破らないように注意!

あっ!そうだそうだ!もう一つ注意点。
時々ドライブシャフトが奥で引っかかってて手前に倒したアップライトを元の状態に起こせなくなる時があります。
ドライブシャフトのミッションケース側のスプラインが噛んでない状態になってしまってるだけなので、車軸を微妙に回転させてやれば「コックン」をスプラインの溝が噛み合って自由に起こせるようになります。
この構造を知らないとかなり焦ると思いましたので補足しておきますね。


組み付けた後、フロントのトー調整をしてもらった方がより確実です。
この形式のサスペンションではあまり狂いは生じないと思いますが、単に私の経験上での判断ですのであてになりません。
蛇足ですが、ルーテシアのアライメント調整はフロントのトーだけしか動かせません。
4輪コンピューターアライメント調整に出しても…。
測定〜状況確認のためという目的ならば納得ですが、どうせ調整できるのはフロントのトーだけ。
やっぱもったいないやぁ〜と思ってしまう私。^^;


<注意>
このページを参考に作業される場合は100%ご自身の責任のもと行ってください。
当方はトラブル・事故などが発生しても一切関知いたしません。



ルーテシアのモディファイ・メンテナンスMENUへ戻る