ATの寿命を長くするために('02.09.05)

最近ATの寿命を長くする方法というか壊れないようにする工夫についての話題がよく出ましたので、毎回毎回同じ話をするよりもページにアップするほうがいいかな?と思いまとめてみました。

● 信号待ちのたびにDからNにしないこと
<本来走行中はずっとDに入れっぱなしにしておくのが機械的負担が少なくて済みます>

ATはトルコンスリップを利用して滑らせながら回転している機械。
静止状態から動力を繋ぐPやNからDやRへ入れる時というのはゼロからいきなり動力がATにつながるので非常に機械的負担が大きくなります。

妙なたとえ話ですが
洗濯機に水をはってその中にまな板を縦に入れて手で保持している状態というのをイメージしてください。

グルグル回してる中にいきなりまな板を入れる瞬間に受ける力と
既に入っているまな板を保持するための力とでは
どちらが大きいでしょうか?

これと同じような状態がN−Dに入れる時にATに起こっているのです。
ですから走行中は長時間の停車あるいは駐車する時以外はDのままにしておく方が寿命をながくすることができるのです。
ジワーーーーーっと時間をかけて徐々にDに入れてくれるような機構がついている車があれば別ですが。(あるのかな?よく知らない。。^^;)

また、一回の走行距離が極端に短く、短時間の走行・駐車を繰り返すような使用状況の車の場合、必然的にN−D操作の回数も増え走行距離はまだまだ短いのにATが故障しやすくなるというケースもままあるようです。




走行中にNにすることは厳禁
 
<お車の取扱説明書にも必ず注意書きがあると思いますが>

一番問題となってくるのはいったんNにした後、再びDに入れる時の機械的負担が尋常ではないということです。
停止中のNからDへのシフトでも上記のように負担が大きいのですから走行中であればなおさらです。
(操作の仕方によっては問題なく行える事もありますが)

危険なのは「エンジンの回転数が高い場合」と「ある程度速度が出ていてエンジン回転数が低い場合」
ちょっとその様子をイメージしてみてください。
・わかりやすい例え・
MT車でフルスロットルからいきなりクラッチをガツンと繋いだらどうなりますか?
その逆に下り坂などでニュートラルのまま速度をあげて走っていてそのままローに入れてクラッチを繋いだらどうなりますか?

それと同じような事をしてしまう可能性があるので絶対走行中にNに入れることは避けましょう。

下り坂でエンジンブレーキがかかってエンジン回転数が上がっていてもその間は燃料カットされていますので燃費低減のためにNにするという方の考えも逆に燃費をわるくさせているだけです。




● 駐車する時のコツ

ちょっと神経質すぎると言われる事もありますがPに入れる時に駐車用ギアのかみこみを少なくすることもATの負担を減らす一つの方法です。

方法は、
1・フットブレーキを踏んで停止。
2・セレクタをNに入れる。
3・サイドブレーキを引く。
4・フットブレーキを離す。(この瞬間微妙に車が動きますね)
5・もう一度フットブレーキを踏む。
6・セレクタをNから一気にPへ。
 (ゆっくり操作してるとRに接続されてしまって目的がはたせません。)
7・エンジンを切る。

4の時に微妙に車が動くというのがミソです。
このタイヤ何十分の一回転の動きかはわかりませんが、そのまま駐車しちゃうとATの駐車用ギアが強くかみこんだ状態になっているのでそれをフリーにしてやるのがこの動作の目的です。

とある外国では平地へ駐車する際はサイドブレーキを引かずにPに入れるだけの人が多いそうですが。。
これもフリーにしてやる一つの手ですね。斜面だとダメですが。^^;

うまく出来たかどうかの判断は?
再発進時にセレクタをPから動かす力が少なくて済むかどうかでわかります。
特別力を必要とせず運転中にDから2などにシフトチェンジする時と同じようにスコッとセレクタが動けば○。
強い力で操作しないとPから抜けない場合はギアのかみこみが非常に強かったということになります。


欧州車のATはまだまだ国産車とくらべるとトラブルが多いもの。
せっかくのステキな乗り味を長くキープして楽しいカーライフを過ごせるよう、ATにやさしい運転を心がけてあげてくださいネ。

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